ちょっと目先を変えて,治療の話をしよう。 まずは民間療法だ。 ご存じのように,科学の香りのするものから,あからさまに怪しいものまでさまざまな民間療法が伝わる。 唐辛子を日本酒につけ込んで,塗る ミカンの皮でこする シャンプーを使わず,石けんで洗う 残念ながら,こうしたものはほとんど効かない。 皮脂による脱毛なら効くかもしれないが,男性型脱毛,つまり,遺伝子の指示による脱毛には無力だと思った方がよい。 だが,誰もが同じ道を歩むのだ。 さらに怪しいのが,さまざまな薬もどきである。 実際,検索してみるとものすごい数の養毛剤がある。 その中には薬事法に触れる,つまり医薬品でないのに,薬としての効果を謳ったものも多数ある。 実際,あたれば大もうけできるので,この分野には参入者があとを断たない。 たまたまダイエット食品製造をやっている人と知り合い,おもしろい話を聞かせてもらった。 残念な話ではあるが,悩みをネタにする商売の大半は「どうしたら役に立つだろう」ではなく 「どうやったら儲けられるだろう」という視点で事業を行っている。 なにせ利益幅はスゴイらしい。 そういう異業種参入を支援するコンサル業者までいるのだ。 依頼すると,さまざまな扱い商品を紹介した上で,広告に顔写真入りで登場する役者さんまで用意してくれる。 医学博士や,なんとか研究所の「推薦の言葉」だって作ってくれる。 「資金さえあれば,あなたにもできますよ」と,その人は語ってくれた。 もしかすると,こういう悪徳業者とは別に,良心的な業者もいるのかもしれない。しかし,それを見分けるのは,残念ながら難しい。 |